2019年2月19日火曜日

白血病の治療~私の場合~⑤ 無菌室

無菌室とはこんなところ


室料は無料


 私は白血病と診断されて2日後に、化学療法(抗がん剤治療)が始まりました。
 
 それまでは4人部屋にいて、最初の2日間ぐらいは食欲も普通にあった。
 「なんだ、抗がん剤といったってたいしたことないじゃないか」なんて思った。

 ところがこれが大間違いで、3日目に急に食欲がなくなり、4日目に無菌室へ移ることになった。
 私は無菌室の料金が気になり、看護師さんに聞いてみた。すると、「治療に必要な措置のため、無菌室は料金がかかりません」とのこと。その点はひと安心しましたが“未知の領域”ですからね。いざ移るとなると不安でいっぱいでした。
 

きれいな個室


 一言でいえば非常にきれいな個室。
 
 抗がん剤の投与により、白血球が極度に減少する。そして、感染が起こりやすくなる。
 白血病が他人に感染するのではなく(白血病は他人に感染しません)、白血病の人が感染を受けやすく、それが命取りになる。
 空気中にある様々な雑菌によって感染症を起こしてしまう。
 それを予防するための設備が整った個室の病室です。

 最初は、「こんなところに入って、この先どうなっちゃうんだろう」なんて不安でしたが、意外に快適でしたね。体調のことを考えなければ。

普通の病室と違うとことは


 まず、面会は原則として家族だけに限られていました。
 面会者は、無菌室へ入る前にうがい、手洗いをし、キャップ、マスク、ガウンを着けます。外界からの雑菌の持ち込みを最小限にするためです。手荷物の持ち込みも、原則できません。花や果物の差し入れもダメです。

 ちなみに、入院している私は普通にパジャマ姿。

 室内には特別な空気清浄器があり、24時間稼働しています。空気がとてもきれいなのがわかりました。室内の清掃や備品の消毒も、係りの方が毎日念入りにやってくれるので、超清潔!洗面台もトイレもシャワーも専用です。
 そういった意味では快適でしたね。

食事


 抗がん剤の影響で、白血球が減少し始めると、食事は加熱食になります。
 “なんでもかんでも火を通してある食事”とでもいいましょうか………。
 美味しくないんです。これが。
 最初のうちは、それでも体調のいい時は食べられたんです。しかし味覚障害の副作用が始まってからは、まったく食べられなくなりました。

外界から遮断された世界


 しーんと静まり返った部屋に一人。一日中。
 体は、日に日に衰弱していく。どんどん筋力が落ちていくのがわかる。
 2週間目からは髪の毛も抜け始めた。食事も食べられない。
 家族が面会に来ても、起き上がる気力もない。しゃべるのもつらい。
 抗がん剤というのは、恐ろしいものです。

 そういう状態になって初めて気づくんですね。「ああ、今まで自分は幸せだったんだなぁ」って。
 家族、会社の人、友人、医療スタッフなど、あらゆる人への感謝の気持ちしかないんですね、そういう時。
 副作用でもうろうとした意識の中で、無菌室の天井をぼーっと見つめていて、毎日涙があふれましたね。元気になって、少しでも感謝の気持ちを返したいと。


 そんな時、担当医の女医さんが病室に入ってきた。
 私の涙を見て、「そんなにつらいんですか?」と聞かれたので、つい、「はい」と言ってしまった。
 
 そしたらその日、吐き気止めの点滴が1本追加されてしまったんです。笑
 

注目の投稿です

剣道 戦国期の下克上が意味するもの

「下達」が駆逐され「上達」への道が拓かれた戦国時代 「下達」とは  論語の一節に「君子は上達す、小人は下達(かたつ)す」という言葉があります。  凡人は、とかくつまらぬことに悪達者になる。励めば励むほどかえってそういう方向に突き進んでしまう。やがて手に負えない厄介者になり、私はこ...

人気の投稿です