ラベル 白血病 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 白血病 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年2月21日木曜日

白血病の治療~私の場合~⑥ 骨髄移植の適合検査

骨髄移植の適合検査(HLAの検査)


弟にドナーを依頼


 化学療法(抗がん剤治療)を開始し、寛解した後、抗がん剤の投与が続けられる中で、骨髄移植の準備に入っていくことになった。

 白血病と診断された時から、いずれは骨髄移植をすることになるんだろうな、と思っていたので、その時は何の抵抗もありませんでした。

 白血球をはじめとする全身の細胞には型があり、骨髄移植をするには私とドナーのHLA型の一致する割合を調べる必要がある、とのことでした。

 家族内にドナーが見つかる可能性は4分の1
 非血縁者間では数百から数万分の1の確率でしか一致しません。

 ドナーの年齢制限は20~55歳。私の親は高齢のため対象外。ドナーになることができる可能性があるのは一つ下の弟だけ。
  「私と一緒にHLAの検査を受けて欲しい。その結果、型が一致すれば骨髄移植のドナーになって欲しい」と電話で伝えた。
 
 もし、型が一致してドナーになることになれば、弟も数日間の入院を余儀なくされる。体にも大きな負担になる。仕事も休まなければならない。
 兄弟とはいえ心苦しい“お願い”だったが、快く了解してくれた。

 うれしかったですね。普段は疎遠なのに、頼まれる方にとってはリスクだらけの“お願い”にもかかわらず、力になってくれるという。
 ありがたいやら、もうしわけないやらで、HLAの検査を2人で受けることになった。

 費用の方は、私の分がが5万円程度。弟の分が3万円程度でした。検査項目のオプションが入るため、患者の方が少し高額になります。結果が出るまでは、2週間ぐらいかかりました。

結果は「不適合」


 型は合いませんでした。

 「わるいね」

 弟が謝ってきた。何も悪くないのに。わるいことをしたのは、こちらの方。
 検査を受けてくれただけで充分。それ以上望む気持ちなんてありませんでした。

 「適合の確率数百分の1のドナーを見つければいい」

 すぐに気持ちは切り替えられた。

 どこかホッとした気持ちもありましたね。弟にまで負担をかけずに済んだという。


 その後、主治医からセカンドオピニオンを受けるようにすすめられたのです。


前の「白血病」の投稿はこちら
次の「白血病」の投稿はこちら

2019年2月19日火曜日

白血病の治療~私の場合~⑤ 無菌室

無菌室とはこんなところ


室料は無料


 私は白血病と診断されて2日後に、化学療法(抗がん剤治療)が始まりました。
 
 それまでは4人部屋にいて、最初の2日間ぐらいは食欲も普通にあった。
 「なんだ、抗がん剤といったってたいしたことないじゃないか」なんて思った。

 ところがこれが大間違いで、3日目に急に食欲がなくなり、4日目に無菌室へ移ることになった。
 私は無菌室の料金が気になり、看護師さんに聞いてみた。すると、「治療に必要な措置のため、無菌室は料金がかかりません」とのこと。その点はひと安心しましたが“未知の領域”ですからね。いざ移るとなると不安でいっぱいでした。
 

きれいな個室


 一言でいえば非常にきれいな個室。
 
 抗がん剤の投与により、白血球が極度に減少する。そして、感染が起こりやすくなる。
 白血病が他人に感染するのではなく(白血病は他人に感染しません)、白血病の人が感染を受けやすく、それが命取りになる。
 空気中にある様々な雑菌によって感染症を起こしてしまう。
 それを予防するための設備が整った個室の病室です。

 最初は、「こんなところに入って、この先どうなっちゃうんだろう」なんて不安でしたが、意外に快適でしたね。体調のことを考えなければ。

普通の病室と違うとことは


 まず、面会は原則として家族だけに限られていました。
 面会者は、無菌室へ入る前にうがい、手洗いをし、キャップ、マスク、ガウンを着けます。外界からの雑菌の持ち込みを最小限にするためです。手荷物の持ち込みも、原則できません。花や果物の差し入れもダメです。

 ちなみに、入院している私は普通にパジャマ姿。

 室内には特別な空気清浄器があり、24時間稼働しています。空気がとてもきれいなのがわかりました。室内の清掃や備品の消毒も、係りの方が毎日念入りにやってくれるので、超清潔!洗面台もトイレもシャワーも専用です。
 そういった意味では快適でしたね。

食事


 抗がん剤の影響で、白血球が減少し始めると、食事は加熱食になります。
 “なんでもかんでも火を通してある食事”とでもいいましょうか………。
 美味しくないんです。これが。
 最初のうちは、それでも体調のいい時は食べられたんです。しかし味覚障害の副作用が始まってからは、まったく食べられなくなりました。

外界から遮断された世界


 しーんと静まり返った部屋に一人。一日中。
 体は、日に日に衰弱していく。どんどん筋力が落ちていくのがわかる。
 2週間目からは髪の毛も抜け始めた。食事も食べられない。
 家族が面会に来ても、起き上がる気力もない。しゃべるのもつらい。
 抗がん剤というのは、恐ろしいものです。

 そういう状態になって初めて気づくんですね。「ああ、今まで自分は幸せだったんだなぁ」って。
 家族、会社の人、友人、医療スタッフなど、あらゆる人への感謝の気持ちしかないんですね、そういう時。
 副作用でもうろうとした意識の中で、無菌室の天井をぼーっと見つめていて、毎日涙があふれましたね。元気になって、少しでも感謝の気持ちを返したいと。


 そんな時、担当医の女医さんが病室に入ってきた。
 私の涙を見て、「そんなにつらいんですか?」と聞かれたので、つい、「はい」と言ってしまった。
 
 そしたらその日、吐き気止めの点滴が1本追加されてしまったんです。笑
 

2019年2月18日月曜日

白血病の治療~私の場合~④ 抗がん剤の副作用

抗がん剤の副作用


吐き気、おう吐


 最初に起こるのが、食欲不振と吐き気、極度の倦怠感です。
 私が入院中、同じ病気の方でこの副作用に耐え切れずに、治療を拒否して退院してしまった方がおりました。

 私は、吐き気はほとんどありませんでした。これには、医師や看護師たちが驚いておりましたね。
 検査などで廊下に出ると、たまに他の白血病患者の個室のドアが開いていて、中が見える時がある。個室には洗面台がついていて、そこに洗面器のようなちょっと変わった形の容器がおいてある。私以外の部屋は全部。
 看護師にその容器のことを聞くと、他の患者さんたちは毎日おう吐を繰り返しているとのこと。その方たちのお気持ちを考えたら、言葉が出ませんでした。

筋力の低下


 手足はみるみるうちに細くなり、背筋力もなくなるので背中がやや丸くなりました。
 トイレに立つだけでもつらくなります。臀部の肉もなくなり、固い椅子に座ると骨があたって痛い。抗がん剤で、筋肉が破壊されてしまうんですね。

思考能力の低下


 スマホの画面を見るのがつらい。テレビの画面を見るのがつらい。本を読むのがつらい。目から入ってくる情報が、頭の中で処理しきれなくなってしまう。
 なので、眠るか、病室の天井をぼーっと見ているだけ。それで一日が終わってしまいます。

脱毛 


 白血病治療の副作用といえば、誰もが思いつくのは頭髪の「脱毛」ですね。
 実際には、全身の毛は全部抜けます。
 私の場合、抗がん剤の投与が始まって、2週間が過ぎたころに脱毛が始まりました。
 私はもともと坊主頭だったので、スキンヘッドは本人としてはあまり違和感ありませんでした。しかし、眉毛とまつ毛もなくなりますので、人相が変わってしまいましたね。
 抗がん剤投与をやめれば、すぐに生え始めますが、髪質は変わってしまいます。

皮膚がぼろぼろに


 また、肌着を脱いだ時に、肌着の内側に白い粉のようなものがついてきます。皮膚がボロボロになって剥がれ落ちるんです。
 これも全身です。しかし、この症状は1~2か月でなくなりました。

口内炎


 医師や看護師が、一番気にかけてくるのが口内炎です。毎日、口の中をチェックされます。
 免疫力がありませんので、粘膜、特に口の中の炎症、口内炎ができやすい。舌もコケで真っ白になってしまう。
 予防のために、一日に10回以上、うがいと歯磨きをしていました。
 口内炎が無数にできて、食事ができなくなる人もいるそうです。
 私は、一度も口内炎ができなかったので、大変驚かれました。


味覚障害


 私が一番つらっかったのは、味覚障害です。
 食べ物がおいしく感じられないというレベルではない。まるでこの世のものとは思えない味になってしまうんです。ですから何も食べたくなくなっちゃうんです。
 最終的には、体重は20キログラム落ちました。

便秘 


 最もつらっかったものがもう一つ。便秘です。死ぬかと思った。詳細を書くのはやめておきます。苦笑


 これらの副作用は、私自身がつらいのはもちろんですが、それを見ている家族も同じようにつらっかったと思います。その気持ちを考えると、胸が痛みます。


 抗がん剤を点滴で投与している間は、37.5度ぐらいの発熱があります。人によっては高熱が続くこともしばしば。
 私は最高で41度ぐらいの熱が数日続きました。合併症です。肺炎になった時と、敗血症になった時。「人はこうやって死んでいくんだな」と思いました。

 そのことは、もう少し後に書きます。


前の「白血病」の投稿はこちら
次の「白血病」の投稿はこちら
 
 

 
 
 
 

 

2019年2月17日日曜日

白血病の治療~私の場合~③ 地固め療法

地固め療法


「寛解」=「治った」ということではない


 前々回の投稿に、私が「寛解(かんかい)」したところまで書きました。
 「寛解」とは抗がん剤治療によって、骨髄の癌が消滅した状態のことです。

 しかし、治療をフルマラソンに例えたら「寛解」は〈最初の給水所〉に過ぎない、と言いました。中間地点にも届いていない。様々な副作用との闘いの始まりともいえるのです。

 なぜなら、「寛解」=「治った」ということではないのです。

 先日、競泳選手の池江璃花子さんが白血病を公表して以降、いろいろなメディアで医者が白血病について解説しています。
 「白血病は完治できる病気になった」とか「早期発見できれば治る」と言っている方が非常に多いことには、驚きました。白血病を他の癌と同じように考えている医者が多いんですね。

 そういった表現に対して、医者の中でも血液内科の専門医たちが、警鐘をならしています。
 「白血病は、完治したと医師が判断できる病ではない。再発のリスクは一生つづく」
 「白血病は流動性の癌なので、発見されたときは全身に回っている。早期発見ということはありえない」
というものです。

 実際、私が白血病の治療を受けている中で、今までに、主治医、担当医、セカンドオピニオンなど約10名の血液内科医に、白血病に関する説明を受けましたが、「完治します」とか「早期発見」という言葉は、一度も聞いたことがありません。

 通常、癌にはステージ“いくつ”という段階がありますが、白血病にはそれがありません。症状が出た時には、すでに癌が全身の骨髄に回っていますので、あえて言うならば“ステースジ4の末期”になってしまうのだそうです。

 その状態から、抗がん剤治療や骨髄移植などで、寛解までもっていくわけです。
 ですから、治療は壮絶なものになります。
 
 私は全身の骨髄の約80パーセントが癌化していましたが、幸運にも治療を初めて1か月弱で寛解しました。私の年齢では大変めずらしいことだそうです。

 その時に、担当医からこのような説明がありました。
 
 「寛解しましたけれども、白血病が治ったわけではありません。ここで治療をやめたら再発はまぬかれません。あともう3か月間は化学療法(抗がん剤治療)を続けて、その後、骨髄移植をすることになると思います」
 
 白血病の治療の目的は、この「寛解」状態を一生維持すること、と言えると思います。
 そのために、寛解したあとにも、このような「地固め療法」が必要になるのです。ですから、どの時点で“完治”したのかなんて誰も判断できないのです。

 まあ長期の治療は覚悟の上でしたが、この後、さまざまな副作用に襲われていくことになります。


前の「白血病」の投稿はこちら
次の「白血病」の投稿はこちら
 

 

2019年2月16日土曜日

白血病の治療~私の場合~② 白血病の治療費

白血病の治療費は? 仕事は? 毎月の支払、生活費は?


まずは大事なお金の話


 前回の投稿で、白血病の治療期間をフルマラソンに例えたら「寛解」は〈最初の給水所〉、まだ中間地点にもきていない、と言いました。

 寛解した時点で抗がん剤治療をやめてしまえば、すぐに再発する。再発した場合は、同じ治療をしても寛解することは難しくなる。そういう病だそうです。

 私も寛解した後も抗がん剤治療を続け、数々の重い副作用に襲われていくことになります。
 
 そのことは次回、書きます。

 で、今回は白血病の治療費や経済面でのやりくりについてお話しします。
 お金のことは大事ですからね。

傷病手当金


 まず仕事ですが、白血病の治療は長期間になるので休職しました。結果的に約1年間。
 私は会社員です。ということは収入ゼロに。この先、どうなることかと思いました。
 そんな中、会社には私の病気と治療を理解してもらえ、スタッフのサポートと励ましがあったことは、私の支えになりました。本当に感謝しています。

 で、自分の会社からすぐに「傷病手当」の説明があった。

 会社で社会保険に加入していれば、病気やけがで長期休業したときは、給料の6~7割分に相当する額が社会保険組合から支給される制度。

 こんな制度があるなんて知りませんでした。とりあえず家族が生活するには、これでなんとかなった。
 ちなみに、国保にはこの制度はありません。

健康保険限度額適用制度


 年収によって、ひと月に支払う医療費の限度額が決まっていて、その限度額以上は支払わなくていいという制度。社保でも国保でも、同じ制度です。これも、詳しくは知りませんでした。
 ただし、保険適用でない自費負担の医療費は含みません。
 ですから、保険適用されていない薬を使ったり、個室などの差額ベッドを利用した場合は、その分は全額自己負担となります。
 しかし、白血病の基本的な治療はすべて保険適用されますので、その点は心配ありません。骨髄移植も保険適用です。 

 私の場合は、ひと月の限度額が88,000円でした。年収がバレますね。苦笑
 この限度額適用が3カ月続くと、4カ月目以降は44,000円になる。ひと月にこの金額以上は払わなくて済むわけです。

 もしこの制度がなかったら、私の場合、月々20〜50万円ぐらいの医療費を払わなければなりませんでした。

がん保険、入院保険


 白血病は癌ですから、がん保険に加入していれば、がん保険がおります。
 これは非常に大事。加入していて良かったなぁとつくづく思います。

 それには理由があります。

 「傷病手当」や「健康保険限度額適用認定」は、申請して初めて受けられる制度。

 傷病手当の場合は任意の期間(例えば、1か月ごとでも3か月ごとでも自由に申請可能)の専用の診断書を添付して申請します。
 私の場合は1カ月ごとに申請してました。
 入院、治療が始まって1カ月たったところ、診断書の作成を主治医に依頼。
 診断書が手元に届くのが2〜3週間後。
 それから自分の会社に傷病手当の申請を依頼して、社会保険組合から自分の銀行口座にお金が振り込まれるのは、早くても3週間後。
 ですから、入院して傷病手当金を最初に手にできるのは、早くても、2カ月半後なんです。

 健康保険限度額適用の方も、最初は認定証がない。こちらも申請して手元に届くのに2週間ぐらいかかる。
 白血病と診断された時は、通常の保険証を提示してその病院にかかってますから、最初の1カ月間か2か月間の入院治療費は、通常通り3割負担になります。
 私が1カ月目に支払った入院治療費は3割負担で40万円ぐらいだったと思います。
 しかし、これは後日、限度額適用の認定がおりて、申請すれば、限度額を超えた分は社会保険組合から返金されます。とは言っても、これも申請してから2~3カ月後のことです。

 入院して休業すれば収入がなくなる、傷病手当を受け取れるのも、3カ月ぐらい先。
 その間、月々の支払い、家族の生活費はかかる。限度額認定証が届くまで建て替えなければならない膨大な医療費もある。

 これをカバーするのが、がん保険の“一時金”です。
 癌と診断されたらすぐにおります。私の場合は申請して1週間後に一時金がおりた。
 100万円。これは助かりましたね。最初の2カ月間の支払いはこれですべてまかなえた。
 その後は、限度額適用が認定されますから、月々の入院日数分のがん保険、通常の入院保険、通院すれば通院保険がおりますので、自分の限度額までは充分支払えます。
 傷病手当は給与の6〜7割となるため、余った月々の保険金はそちらの不足分に回せます。

 ですから、国保の人はがん保険の契約内容を手厚いものにしておくのがいいでしょうね。そうすることによって、傷病手当がない分、がん保険で入院している間の家族の生活費もまかなえます。

 これらの制度や保険を活用すれば、経済面では心配ないと思います。

 ただし、この制度の“恩恵”は入院・治療して、仕事を休業している間だけなのです…。



前の「白血病」の投稿はこちら
次の「白血病」の投稿はこちら

 

2019年2月14日木曜日

白血病の治療~私の場合~① 白血病は骨髄の癌

白血病は骨髄の癌


イメージとは違う実際の治療法


 白血病の治療というと、“骨髄移植”と思う方が多いと思います。
 白血病になる以前の私もそうでした。

 診断を受けてから、すぐに骨髄移植の話をされると思っていたら、そうではなかったんですね。
 主治医から最初に説明があった治療法は“化学療法”。抗がん剤治療のことです。
 中心静脈にカテーテルを挿入して点滴で抗がん剤を投与する。

 まずはこれで、「寛解」を目指すんです。

 「寛解」とは、骨髄の癌が消滅した状態ということです。

 “癌が消滅する”ということは、これで“治った”と思う方も、いると思います。
 そうではないんですね。

 治療の全期間をフルマラソンに例えたら、「寛解」は〈最初の給水所〉という感じ。
 まだ、中間地点にも行っていない。
 
 私の場合は、診断を受けた翌々日に、抗がん剤の投与が始まりました。
 3日目に急に食欲がなくなり、4日目に大部屋から無菌室へ移りました。

 白血病は感染症ではありません。感染はしない。
 骨髄の癌です。
 無菌室へ入るのは、空気中の雑菌などでも体内に入れば急変してしまうからです。
 抗がん剤の投与によって白血球が破壊され、免疫力、抵抗力がなくなってしまうのです。

 面会は家族以外は不可

 食べ物は加熱食品だけ。生ものはダメ。
 とは言っても副作用で味覚障害が始まり、そもそも食欲がなくなってしまう。
 味覚障害というのは、食べ物がおいしく感じられないというレベルではない。食べ物すべてがこの世のモノとは思えない味になってしまう。例えようのない味になってしまうんです。ですから食べられない。

 歩くのも無菌室内にあるトイレまで行くのがやっと。筋力もあっという間に落ちました。
 治療開始2週間目には体重が10キログラムも減っていた。
 また、このころから脱毛が始まり、皮膚はボロボロ。鏡の中の自分は別人になった。
 こんな姿になった私を見なければならない家族の者の気持ちを考えると、胸が痛みました。

 毎日、ぼーっとして集中力もなく、ただ病室の天井を見ているだけ。
 テレビを観たり、本を読んだりする気にもなれない。
 ただただ、妻や子供、医療スタッフに対する感謝の気持ちで毎日涙があふれました。

 治療中は、月に1度、骨髄穿刺(マルク)検査があります。
 治療が始まって21日目に、最初の検査があった。

 「寛解」するのに数か月かかる人、数年かかる人といるそう。残念ながら「寛解」しない人も。

 翌日、担当医が検査の結果を告げに来た。
 
 「寛解しています」

 この年齢で早期の寛解はまれだそう。

 しかし、これは〈最初の給水所〉にすぎなかったんです。



前の「白血病」の投稿はこちら
次の「白血病」の投稿はこちら

2019年2月13日水曜日

白血病の治療は壮絶なもの

競泳選手の池江璃花子さんが白血病であることを公表されて一日たった


医者には患者の気持ちを代弁できない


 各メディアには血液内科医が出て、白血病についていろいろ語っている。
 
 あくまでも治す側、医者の立場で。

 この方達は、もちろん白血病にはなったことがない。だから白血病治療の現状を話しているだけ。どの医者も話の内容はほとんど同じです。まあ当然といえば当然です。

 私も、“白血病”と診断されて、担当医からそういった話をひと通り聞きました。
 その2日後に化学療法(抗がん剤治療)が始まったんですが、実際には、想像を絶するようなことが次々と自分の体に起こってくるんですね。


 一方で、各メディアは白血病を克服した経験のあるアスリートや俳優に取材をしていますね。
 皆さん、池江さんに心からのエールを送っていました。

 しかし、その取材に対して、ご自分の治療はどうだったのか、あまりくわしく話されている方はいなかったような気がします。
 取材時間の制約もあるでしょうから、すべてを話すことは難しいでしょうけど。本来、話したいことの10分の1も話していないんじゃないかな、と思って観てました。

 その理由はわかります。治療が壮絶すぎるからです。安易に話すことができないんですね。医者にも患者側からの話はできません。


 今日、78歳になる実家の母から電話がありました。

 「池江璃花子さんて、お前と同じ病気なの?入院中のお前の姿を思い出しちゃって、足の震えが止まらないんだよ」

 白血病は造血幹細胞(骨髄)が癌になる病気。しかし、他の癌のようにステージ“いくつ”っていうのがない。それは、白血病と診断された時は、あえて言うならばステージⅣの末期だから。
 その末期の状態から、全身の骨髄に広がった癌細胞を消滅させるために、抗がん剤を投与するわけですから、非常に危険な治療になります。
 
 白血病の治療は壮絶なものです。

    池江さん、この治療、必ず乗り越えてくださいね。


前の「白血病」の投稿はこちら  
次の「白血病」の投稿はこちら


 
 
 

2019年2月12日火曜日

池江璃花子さん頑張って!私も白血病患者です

 今日の昼過ぎ、突然入ってきたニュース


 「競泳女子の池江璃花子がツイッターで白血病を告白」


 一瞬、自分の目を疑った。
 「あの池江璃花子が……」「白血病……」「オレと同じ病気……」
 かわいそうすぎます。
 私は52歳で白血病になりました。池江さんは18歳ですか…。
 若い人が白血病になったと聞くたび、胸が締め付けられる思いがします。
 
 白血病は癌です。造血幹細胞が癌になる。ひらたく言えば、全身の骨の中にある骨髄が癌化する病。その骨髄で血液が造られますから、正常な血液が造られなくなる。免疫力が低下する。
 最終的には、普通の人なら何でもない空気中の雑菌や指先についたばい菌が、口の中に入っただけで40度以上の高熱が出る。肺炎や敗血症などにかかる。死に至る。

 私は入院中に敗血症になるところまでいきました。その時は熱が41度。3日間続きました。「ああ、人間はこうやって死んでいくんだな」と思いましたね。もうそうなると失禁しちゃうんですね。

 白血病は治療しなければ、生存率0パーセント。ステージいくつっていう段階はない。発症した時はもう末期なんです。
 
 私は白血病の知識がなかったので、2日後に抗がん剤治療を開始することを医師から告げられた時に、「来週からにしてもらえませんか?」なんてのんきなことを言ってしまった。そしたら、「それでは間に合いません」と言われましたね。

 私が入院中、同じ病気の方で、治療の副作用のあまりの苦しさに耐え切れず、治療を中止して退院してしまう方もおりました。胸が痛みます。

 池江さんには、これから始まる長期間の治療にしっかり耐えて頑張ってもらいたいです。

 『池江さん、夢と目標を忘れず、ガンバレ!!!』



このブログ上部の「急性リンパ性白血病」のページに私の闘病記を投稿しています。今後も加筆・更新してまいりますので、よろしければそちらもご覧いただければと思います。


前の「白血病」の投稿はこちら        
次の「白血病」の投稿はこちら

次の池江璃花子さんに関する投稿はこちら




2019年1月26日土曜日

二天一流武蔵会の錬成会に参加&白血病の定期検査

白血病の定期検査


 午前中は某大学病院で、月1回の検査と診察に。2017(平成29)年12月に8か月間の抗がん剤治療を終えて退院し、経過観察してます。急性リンパ性白血病です。
 今回も特に異常なし。塩分とカロリーの取り過ぎに気を付けて下さいとのこと。
 抗がん剤治療を長期間やった人は、腎機能の低下や血糖値の上昇に影響がでやすいのだそうです。
 しょっぱいものも甘いものも大好きなので、控えめにしてるつもりですが…
今のところ、大丈夫だそうです。 


二天一流武蔵会の錬成会に参加

武蔵会東京支部定例稽古会。日本橋浜町体育館。
二天一流武蔵会の錬成会

 検査の結果にひと安心して、午後は2週間ぶりに二天一流の稽古へ。
 私の所属する二天一流武蔵会東京支部は月2回、日本橋で錬成会をしています。
 ここでの稽古内容は、形稽古(五方の形)、片手刀法の基本稽古、二刀での自由稽古。普通の剣道の道場では経験できない内容満載なんですね。
 ですから、参加者もアメリカやカナダ、ヨーロッパ各国などからも来ています。
 今回もpm1:00~4:00まで、みっちり稽古してきました。
 
 二天一流の稽古に関する内容は、このブログの「古流に学ぶ」のページや、「『五輪書』の実践」のページでも、記述していきますのでよろしくお願いします。

 今年は昇段審査があるので、それまでにいい状態にしておきたいと思っています。

 今日も剣道ができたことに感謝!


このブログ上部の「急性リンパ性白血病」のページに私の闘病記を編集してまいります。
よろしければ、そちらもご覧ください。

次の「白血病」の投稿はこちら


注目の投稿です

宮本武蔵『独行道』「我事に於て後悔せず」を考察する

後悔などしないという意味ではない 布袋観闘鶏図 宮本武蔵 後悔と反省  行なったことに対して後から悔んだり、言動を振り返って考えを改めようと思うこと。凡人の私には、毎日の習慣のように染み付いてしまっています。考えてみれば、この「習慣」は物心がついた頃から今までずっと繰り返してきた...

人気の投稿です